ところが、細菌性プラークの多い少ないということと
歯周炎が重くなって骨がなくなっていくかどうかということの間には
実は相関はあまり高くないのです。
細菌性プラークが多い → 歯肉の炎症が強くなる
ということは相関が高いのですが、
細菌性プラークが多い → 骨がなくなる
とは必ずしも言えないようなんです。
歯肉炎の原因が細菌であることを突き止めた、ロエ先生はこんな研究もしています。
今度はスリランカの茶畑労働者を調べました。
当時スリランカの茶畑で働く人たちは、口腔衛生が乏しく、専門的治療も受けていなかったので、研究の対象になりました。歯磨きもろくにしていなかったんでしょう。だからみんなひどい歯周病になっていたのかというと、さにあらず。
11%はごく軽症、あるいはまったく歯周病になっていませんでした。
81%は中くらいの慢性的な歯周病でした。
8%だけが、重篤な歯周病になっていたのです。
細菌性プラークだけが歯周病の進行に関与するのなら、同じように磨けない人たちは同じように重篤な歯周病になるはずです。でも実際にはそうではなく、歯周病になりやすい人とそうでない人がいるらしいのです。
それではどういう人が歯周病になりやすいのでしょう?
結論から言えば、歯周病は重篤になることに関連する因子は
1)高齢
2)喫煙
3)糖尿病
4)ストレス
5)遺伝
です。