いよいよ明日が開院の日です。
準備万端整って、完璧な状態で
皆さんを迎えることができます
ということならいいのですが、
実際には
あれがなかった、これはこうしたほうがいい、
ここに不具合が見つかった、
明日は台風が来るらしいが花は大丈夫か?
などなど、
バタバタと落ち着かないうちに
前夜は刻々と更けてゆくのでした。
でもなんだか不思議なことに
気持ちは落ち着いてきて、
9時を過ぎてるのに待合室の床に座り込んで
こんな医院にしたいだのなんだの
さとうさんとつださんに聞いてもらったり、
今もこうしてブログ書いたりしてます。
あれこれ足りないところがあるのは
第一には僕の働きと準備が足らなかったせいなのですが、
ほかの大きな原因としては
新しい医院を始めるにあたって、
医院の仕事のシステムを、これまでの勤務先のものを
そのまま持ってくるということをしなかった、ということが
あると思います。
使ったことのない機器を導入し、今までと違うやり方で
滅菌をする。患者さんごとに削る器具を取り換える。
初めて仕事をしていく衛生士さんや助手さんのやり方の
いいところを取り入れる。
まさにイチから医院を作っているところです。
いままで破綻なく回っているシステムをそのまま持って来れば
もう少し少ない労力でもっとつじつまのあった準備ができたんだと
思います。
でも僕はそれはしたくなかった。
あえて「システム」とかを作らないで仕事をしたい
くらいなのです。
人間という複雑なものを扱うにあたって、
あらかじめすべての起こりうる状況に対して
準備しうるかというと、それは不可能です。
必ず想定外の出来事は起きるし、
一人ひとり異なる未知の患者さんを迎えるという意味で
我々の仕事は常に新しい状況と対面しているわけです。
「どうふるまっていいかわからないときに、
どうふるまっていいかを知っている」という潜在的な能力のことを
”ブリコラージュ”というそうです。
内田樹先生がよくブログや著書のなかで紹介されている言葉です。
いろいろ足りない状況の中で、手持ちの道具や石ころや木の枝など
本来の用途とは違う使い方でやりくりして間に合わせるような
ことらしいです。
2週間のうちにどうやらうちのスタッフにはそういう能力が
高い人が多いように思えてきました。
だから、いろいろ足りなくても明日からなんとでもなるような
気がして、落ち着いてきたんですね。
明日からが楽しみです
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