技工タイム

歯科には技工というのがつきものです。

 

かぶせ物や入れ歯を作ったりすることです。

 

医院に技工士さんがいる診療所もありますが、

多くの歯科医院は技工を外注しています。

 

純歯科医院も、基本は外注です。

 

でも、個人トレー(型取りのための皿のようなもの)や

ロー堤(かみ合わせを記録するためのもの)などの、

中間的な技工物は、できるだけ自分で作るようにしています。

 

技工料がそれだけ浮くという、

経済的かつ現実的な理由によるところが大きいのですが

いろいろ副産物的に良いこともあるようです。

 

1.患者さんの模型をゆっくり検討しながら作ることで

  患者さんの口腔内についての理解が深まる

 

2.そのようにして自分で作ったもので診療をすると、良い結果が出やすい。

 

3.居残りで一人で作業することで

  診療や医院経営や人生について、静かに省みる時間ができる

 

そういえば、今日読んだ診療所経営に関する文章の中で、こういうのがありました。

 

 ”毎日短時間でもいいから、自己の経営や自己の本性を静かに省みる時間を持ち、
  身を清らかな状態に保つことが、経営者にとって大切なことではないでしょうか。”

 

でも、そういうのを静かに省みてみると、却っていろんな煩悩が去来して

胃のあたりがキリキリしてきそうな、秋の夜長なのでした。