治療の精度を上げる為、拡大鏡を導入しました。
大きく見えるだけでなく、LEDライトのおかげで明るくなるのも、とてもよいです。
とくに、光源が眉間の付近にあるので、光軸と視線とのずれがないので、歯の中の狭いところも明るく照らして見ることができるのです。
眼鏡屋さんで試着中の写真です。
そういえば、普通こういう診療器具は歯科材料屋さんから買うことが多いと思うのですが、僕はいつもメガネを作ってもらっている、茨木市のオプト・アイランドさんで買いました。
ここの店主の藤原さんは視覚についての知識と眼鏡の調整の技術は素晴らしいものをお持ちで、眼鏡がビシッと収まる気持ちよさったらないのであります。もう8年くらい、他では眼鏡を買っておりません。(というわりにあまり数は買ってないので申し訳ない)
今回も眼鏡部分の度数の設定と、フレームの調整は彼にお願いして、すばらしいフィット感です。
拡大鏡を使うことによるマイナス面というか、弱点もあります。
自分が頭を少し動かしただけで、視界が大きく動くので、酔いそうになります。肩も凝ります。
また、拡大する分、視野は狭くなります。拡大鏡の周囲は普通の眼鏡なので、見ることもできるのですが、拡大鏡の外側で見えている部分と、拡大して観ている部分の間に死角ができます。
患者さんの表情が感じられないので、アシスタントの人のサポートが重要になります。
また、2次元の視覚情報はいくら精度が上がってもそれだけでは完璧にはなりません。
以前にこういうことがありました。
僕が大変お世話になった先生が、顕微鏡治療で有名な先生のところでむし歯の治療を受けました。樹脂で小さな虫歯を詰めてもらったのです。でも帰ってみるとなんだか詰めたとこに違和感を感じたので、僕が肉眼と、探針でチェックしたところ、あきらかな段差があったのです。その場でシュシュッと研磨して修正したら解決しました。
視覚だけに頼るとこのようなピットフォールに陥ることがあるということです。触覚も使ったチェックも併用しないといけません。
こういうことがあったので、「顕微鏡、なんぼのもんじゃい」と早合点しちゃって拡大鏡の導入が今頃になってしまいました。そういう早合点も自戒しないと・・・。
そうはいっても拡大することにより細部の精度がさらに向上することは確実であります。
これからこの道具を上手に使ってより精度の高い診療につなげていきたいと思います。
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