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逆根管治療1年後

新型コロナによる緊急事態宣言の解除をうけまして、徐々に街に人が戻ってきつつあります。

 当院でも先月から延期している治療やメンテナンスの再開を段階的に進めています。

 従来よりも感染対策に手間と時間をかけているので、一日に診ることのできる患者さんの人数はまだ少なくしているのですが、徐々に増やしていく予定ですので、もう少しお待ちください。

 

 このレントゲン写真は右上の5番で、術後1年たっています。

歯根端切除して逆根管充填をしています。

根尖部には骨ができて健康な歯槽硬線ができています。

 

この患者さんは1年半前に、前の歯科医院で根管治療で改善しないから抜歯もやむをえないと言われたということで、来院されました。

 

当院初診時のレントゲンはこんな感じでした。

根の先に黒く透けている病変があるのがわかります。根が後ろ向きに曲がっているので、根管治療の器具が入りにくそうです。

歯根破折している可能性もあり、よくなるかどうかの見込みは五分五分だと説明してスタートしました。

曲がっている根管の先まで器具は届いているのですが、歯ぐきの腫れはなかなか改善しません。

 

半年の間、根管の中を手を変え品を変え、きれいにしたものの、歯ぐきの腫れは改善しないため、逆根管治療を計画し、いったん根管充填しました。

 

カーブの先まで根管充填はされています。

 

黒い病変は残っています。

逆根管治療直後のレントゲン写真。

 

切り口が凹面になってしまっているのが少し惜しいところですが・・・

 

ここまで治療回数6回、治療期間4か月でした。

4か月後。

 

仮歯の状態で様子を見ていましたが、黒かった病変の部分に骨が添加されつつあるのがわかります。

これが逆根管治療1年後。最初に提示したレントゲン写真です。

全く症状はありません。

当初抜歯を覚悟されていた歯だったので、とても喜んでいただき、私としてもとてもうれしい気持ちになりました。

 

参考)治療回数 10回(歯周病治療や他の歯の治療は含まず) 治療費用 18万5千円(税別)