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根尖孔外の複数の破折ファイルを除去したケース

他の医院で根管治療を受けたが、痛みが取れないケースです。

 

レントゲンを撮ってみると、近心頬側根に長い破折ファイルが根尖孔外に突き出しているのが認められました。

 

近心頬側根管の中には短い破折ファイルのような不透過像も認められます。

 

口蓋根にも破折ファイルのような逸出物が認められます。

 

CTを取って確認すると、破折ファイルは上顎洞に達しており、上顎洞炎を惹起しています。

口蓋根にも根尖孔外に不透過像が認められます。

 

近心頬側根の破折ファイルは除去を試みて、3回目のアポイントの日にやっと取れました。

一番目立つところは取れたのですが、噛むと痛いという症状は続きました。何度か根管の中を洗浄、貼薬を繰り返しましたが、改善しませんでした。

 

口蓋根の根尖孔外の不透過像は破折ファイルと思われますが、完

全に根管の外にあるので、普通の方法では根管からは取れませんし、口蓋側にあるため外科的歯内療法も行うことができませんでした。

 

そのため、患者さん本人と相談の上で、"Internal Apicoectomy"を計画しました。

 

この方法は最近歯内療法学会や顕微鏡歯科学会で報告された、「根管口から挿入した切削器具で根尖部の感染した歯根を削除する」という方法です。

他の根も根管充填しました。

 

近心頬側根はトランスポーテーション部から先の根管の拡大はできなかったのですが、良好な経過です。

今後問題が出るようならば逆根管治療で対応します。

その後、フルジルコニアクラウンで修復し、現在噛んだ時の痛みも全くなく、経過は良好です。